小さな子供たちは、忘れるのが得意です。
今日言い聞かせたことも、明日には忘れてしまいます。
私も、大人ですが忘れるのが得意です。、私のそれは老化現象。
覚えていようと思っても、覚えていたいのに、加齢とともに記憶力が薄れるので、忘れたくないことも忘れてしまう(笑)。
子供たちは毎日新しい発見がたくさんあって、興味があちらこちらに飛んでいくので、単純なことほど直ぐに忘れてしまいます。
忘れるというより、意識をしないといったほうが良いでしょうか。
ですから、ある程度の年齢までは、その都度大人が根負けしないように言い続けないと、身につきません。
「挨拶」・・・これが幼いうちに言い聞かせておかなければいけない事の、最も大切なことです。
ひょっとしたら、この「挨拶」さえしっかり叩き込んでおけば、後は何も教えなくてもいい、というほど必要不可欠なものかもしれませんね。
「挨拶」は一生ついて回るものです。
どんな人とでもどこの国でも、「挨拶」は人と交わるためにはなくてはならないコミュニケーション・ツールです。
社会人として、人とのスムーズなコミュニケーションは「挨拶」から始まります。
もちろん大人になってからでも学ぶことはできます。
でもできることなら子供のうちに基本をマスターしておけば、大人になって困らない、とても楽なのです。
最近この「挨拶」ができない大人が横行しています。
大人が「挨拶」ができないのですから、子供ができないのは当たり前。
子供にだけ押し付けるのはルール違反です。
例えば、お父さんもお母さんも、朝、顔を合わせても無言なのに、子供だけに「おはようございますと言いなさい」と言っても、効果がありません。
誰かに会ったとき、子どもが挨拶をしないと怒りませんか。
「こんにちはでしょっ」とか「ありがとうはどうしたのっ!」
どうですか? 言ったことありませんか?
あなたは知らない人に会ったとき、「こんにちは」と言いますか?
例えばすれ違う歩行者とか、ATMで先に並んでいる人に。言いませんね・・・?
いくら親の知り合いだとしても、子どもが面識のない人なら、人見知りするのは当然だし、いきなり「こんにちは」って言えませんよ。
だって、親のあなたも知らない人に挨拶しないんですもの。
知らない人には挨拶なんかしない。
それを、あなたの行動が教えています。
子どもはそれを見て、それが自分の常識となります。
ですから、「こんにちはって言いなさいっ!」って怒るのって、あなた自身が普段言っていないのを公表しているのと一緒です。
とても恥かしいことです。
子どもが言わないことが恥かしいのではなく、自分が言えていなかったことが、です。
挨拶はとても大事です。
言うと気持ちいいし、返されるともっと気持ちいい。
挨拶ができる子って、別に偉くありません。
挨拶すると気持ちいいという大事なことを知っているだけです。
ですから子どもにちゃんと挨拶をさせるには、「挨拶は?」と怒るのではなく、あなたがたくさんの人に自分から挨拶している場面を見せてあげればいいのではないでしょうか?
この前、テレビの番組で駄菓子屋のおばちゃんにインタビューしていました。
「今は一言も話さなくたってモノが買える」と、おばあちゃんは言いました。
そうなんです。
昔は大根が欲しけりゃ八百屋さんに行かなくてはなりません。
「どれ持ってく?」なんて聞かれて「じゃあ、その大きいの!」なんて言いながら買っていたのです。(サザエさんみたいにっ!)
大根の料理方法を、八百屋のおじちゃんに聞いたりね。
でも、今はスーパーに並んでいる大根を黙ってカゴに入れ、黙ってレジでお金を払います。
一度もしゃべらずとも大根が買えます。
だからこそ、挨拶は貴重な「会話」です。
私は必ずレジでお釣りをもらう時、レシートをもらう時、 必ず「ありがとう」と店員に言います。
あちらはお辞儀して「ありがとうございました」と言っているのですよ。
こちらこそ、いつも通りに野菜が買えるのはお店が開いているからであって、こうして手際よくレジを打ってくれている人がいるから、安心して来店したのです。
こちらこそ「ありがとう」です。
ですから、いつも一緒に買い物をしている我が子は「ありがとう」と言うのが常識だと思っています。
そして、言うと気持ちがいいことも知っています。
店員さんがニコっとしてくれますからね。
散歩に出かけて、知らない人にすれ違ったとしても「こんにちは」と言います。近所のどなたかだろうと思うからです。
今、様々な犯罪が増えています。
子どもだけで、おちおち外に出せないような環境になっています。
だからと言ってセキュリティを強化するだけではダメです。
もっと家族以外の人にも挨拶をして、関心を持たないといけません。
ご近所が挨拶したり、地域の人たちの結集が強い地区では、犯罪が少ないという報告があります。
挨拶って、これから先はもっと大事なことになりそうです。
本当は意識しなくても挨拶できたはずだったんです。
でも、今の日本は意識しないと挨拶さえできない国になりつつあります。
ネットショップの普及で、ますます挨拶なしでもモノが買える時代になりました。
だからこそ、挨拶の大切さを身を持って感じています。
子どもに「挨拶は?」って怒らないでください。
「挨拶すると気持ちいいよ〜」って諭してあげてください。
「叱る」と「怒る」の違いってことです。
どんなことも毎日の生活の中で、大人が自然にやっていることだからこそ、
子供たちもその必要性を見出す事ができるもの。
そしてそれを身につかせるためには、
言わなくても自然にできるようになるまで、口をすっぱくしていい続けること。
しっかりできた時には誉め、子供のやる気を喚起しながら、徐々に当たり前のこととして認識できるようになるまで、その都度言い続ける。
そういう繰り返し・しつこさが、やがて子供にとって一生の宝となるのですから。
それに、あなたがしていればきっとするようになります。
ATMで並んでいる、自分の後の人には「お待たせしました」
スーパーのトイレ掃除をしている人には「きれいにしてくれてありがとう」
郵便配達のおじさんには「ご苦労さまです」「届けてくれてありがとう」
日々の生活には、しようと思えばたくさんの挨拶ができます。
最初は慣れないと恥かしいかもしれません。
でも言ってみると本当に気持ちいいものです。
有名な話ですが、学校の給食で「いただきます」を子どもに言わせないで欲しいと申し立てたお母さんがいました。
理由は「お金を払っているのだからいただきますって言わせるのは変」だそうです。
悲しいですね。
いただきますの意味を分かっていない。
お金を払えば感謝をしなくていい・・・。
本当に残念な考え方です。
挨拶ってとても温かいし、とても大切です。
まずは、親の私たちが手本をみせてやりませんか?
◎朝起きたら「おはようございます」
◎ご飯を食べる時には「いただきます」
◎食べ終わったら「ごちそうさまでした」
◎学校へ行く時には「いってきます」
◎約束をやぶったら「ごめんなさい」
◎何かをしてもらったら「ありがとうございます」
◎寝る時は「おやすみなさい」
当たり前のことだと言われるでしょうが、その当たり前ができないのが昨今です。
子供に言い聞かせるには、まず大人が見本を示すことが鉄則です。
朝の挨拶は大きな声で爽やかに!
一日が幸せかどうかは、朝の一言で決まります!!
ひとひら
☆挨拶を強要しないで。
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