久遠大宇宙の真理そのものであるお釈迦様は法華経の中で、 此の世の大導師たる日蓮大聖人は如来滅後五五百歳始観心本尊抄に、 「法華経には仏種の妙法、即ち佛になる種が内包されていることが説かれている上、私たち凡夫の心に仏界を具足するとも説かれています。 殊に、本当の教えが隠れてしまい、人の心を惑わす邪悪な思想が我が物顔で罷り通る末法と云われる現代に於いて、事の正邪を弁え、人が人として正しく生きていく事すら猶困難な事であります。 況や、一切衆生が頼みとしなければ為らない真実の教えである法華経を能く理解し実践するということは、私達末代幼稚の者にとっては至難の技で有りましょう。 然し乍ら、この世の真理そのものである御仏は、大慈悲をもって、御仏の種を妙法蓮華経の袋に包み込んで、私達末代幼稚の頸に懸けて下さっております。 私達はこの事を疑わず、素直に信じ、法華経にその身を任せ、唯、南無妙法蓮華経とお唱えをし日々の生活を疎かにせず真摯に活きていく事によってのみ迷いのない真の幸せである御仏の世界、即ち霊山浄土へ詣る事が出来るのであります。 是を「霊山往詣」と言い、慈悲にあふれた自由闊達な精神状態・即ち「お釈迦様が住せられた幸福状態」を生きたまま体現する事が出来ると言うことなのです。 |